ドラゴンボールの超サイヤ人が金髪になる本当の理由
こんにちは。東野です。 本日はドラゴンボールについて、お話をしたいと思います。
ドラゴンボールは、主人公の「孫悟空(そんごくう)」がどんな願いも叶えるドラゴンボールをきっかけに、世界中をめぐり強敵と戦う孫悟空の成長を描いた物語です。
孫悟空は黄色人種の象徴だった
ドラゴンボールと聞くと、おそらく「冒険」や「バトル」などを想像される方が多いのではないかと思いますが、私はこの作品を「人種」という視点で解説してみたいと思います。 主人公の孫悟空は、黄色人種です。 名前や育て親の孫悟飯の服装などから判断するとアジア人に近いと想定されます。
物語が進むにつれて、孫悟空が、惑星ベジータからきた宇宙最強の戦闘種族サイヤ人だとわかり、強敵フリーザとの戦いで、伝説の戦士、超サイヤ人へとなります。 この超サイヤ人の時の孫悟空の姿は、金髪となり、鼻も高くなり、瞳も緑になります。
ここでわかるのは、作者の鳥山明は、黄色人種よりも白人の方が強いものとして、表現していることです。そして読者である私たちはそれを(自然と)受け入れています。 鳥山明は日本人のコンプレックスや白人への憧れを、強さの表現として利用しているのです。
超サイヤ人(白人)が界王拳(アジア人)を超える
鳥山明は、実は孫悟空を超サイヤ人にする以前、「界王拳」という形で、アジア人のままの姿で強さの表現をしています。
超サイヤ人の登場は、アジア人(界王拳)では超えることのできない表現の壁を、白人(超サイヤ人)によって超えたことを意味しているのです。 その後、強さの表現は、超サイヤ人から超サイヤ人3まで進化していきますが、超サイヤ人3になると目の彫りが深くなるなど、さらに白人に近づいていきます。
アジア人が西洋人の強さを身につけて黒人に継承する
ドラゴンボール最終回では、孫悟空がウーブという黒人の子供に修行をすることになり、物語は終わります。
ウーブ(黒人)は第三世界のシンボル。ドラゴンボールというストーリーは、アジア人が西洋人の強さを身につけて、第三世界へとその力を移していく流れだと言えるでしょう。 ドラゴンボールのアニメが放送された当時、日本の若者の間では金髪が流行していました。 高級ブランド品や化粧品の広告は、今日でも白人がモデルです。
思えば日本は黒船が来て以来、高い西洋技術に圧倒されて開国、その後、世界大戦でアメリカに敗戦。私たち日本人は、西洋人への憧れとアジア人でいることのコンプレックスを捨てきれません。 スーパーサイヤ人は「白人=強い」という私たち日本人が抱えているコンプレックスの具現化だとすると、ウーブという貧しい黒人が次の時代のヒーローとして提示され物語の最後を締めくくる。 鳥山明がこれを意図したとは思いませんが、彼はシンボリックな表現が非常に得意。ドラゴンボールは、日本人の深層心理を表現の中に巧みに取り入れた作品と言えるでしょう。国民的アニメ「ドラゴンボール」からは、日本人の人種に対する考え方が垣間見えるのです。
グローバル化する社会の中、私たち日本人は、人種の垣根をまだ越えられていないのかもしれません。