トムとジェリー「誰もが思わず笑ってしまう4つの要素」
1940年に公開されたトムとジェリー。
言葉を話すことがない猫とネズミのアニメが、なぜあんなにも面白いのか。
言葉を使わなくても、誰にでも伝わるストーリーと笑いを提供してくれる。
作品テーマ:老若男女・万国共通の笑いとは?
立場が逆転する
猫とネズミの場合、猫=強者でネズミ=弱者と言うのが一般的な概念(記号)であろう。
ただ、トムとジェリーの場合はかならずしもそうとは言えない。基本的にはトム(猫)はジェリー(ネズミ)を追いかけるが、時にジェリーがトムへ反撃をする。
弱い者を応援したり、同情したくなるのは人の心理だろうが、トムとジェリーの場合は弱者と強者が簡単に入れ替わるため、思わずトムの方に同情している。なんてこともしばしば起こりえる。
ジェリーを追うトム
トムの歯をトンカチで粉々にするジェリー
思わず突っ込みたくなるシーン
猫であるトムは、ネズミのジェリーを食べよう追いかける。
本来なら命がけの争いのはずなのだが、トムとジェリーの場合には思わずつっこみを入れたくなるシーンがある。
例えば、パンに挟まれたジェリーが、自ら自分の身体にバターを塗り始めたり、あるいは拳銃を向けられたトムが、なぜか落とした拳銃を渡してあげるなど、真剣勝負の世界にもかからわず、ユーモアがある。
自らの身体にバターを塗り始めるジェリー
拳銃を向けられたトム
思わず転んで拳銃を落とすと…
トムが拾ってあげる。
表現の豊かさ
トムとジェリーでは、物理の法則をはずれた表現がしばしば起こる。
トムの身体は割れ物ののようになったり、粘土のようになったり、風船のようにもなる。
誰もが猫がそんな風になるわけがないと知りながらも、大胆で創造性に満ちた表現は誰でも楽しむことができる。
ジェリーがレンガをなげると…
トムに命中し、身体が割れ物のように弾け、
フレームだけになってしまう。
チューブを通り抜けたトムの身体はチューブと同じ形に…
スコップが命中したトムの顔がスコップと同じ形に
ジェリーから空気を送り込まれて顔が風船のように膨らむトム
結局、仲良し
いつも喧嘩ばかりのトムとジェリーだが、最終的にはお互いが殺しあうことはない。
※このアニメでは死んでも生き返ることがあるのだが、
喧嘩しても仲がいい二匹もストーリーはどこかで私たちを安心させてくれる。だからこそ子どもから大人まで安心して楽しむことができるのだろう。
直前まで喧嘩をしていても最後は風邪をひいたトムのために温かいスープを食べさせるジェリー